蒼田 そうでん の造り(二)

 純米大吟醸「蒼田」、純米吟醸「蒼田」の造りを順次報告します。
 純米大吟醸「蒼田」の精米歩合は39%、純米吟醸「蒼田」の精米歩合は50%ですが、今回この二本は酒母を精米歩合35%の山田錦でいっしょに造り、それぞれ分けて使用します。酒母の特性がその後の醪に引き継がれるので、精米歩合をより磨いた酒母を使うことにより、品質を向上させることが出来ると喜多屋では考えています。



1月21日〜2月1日 酒母の仕込み
21日夕方 ストップウォッチによる時間計測と手洗いで丁寧に米を洗い、吸水をコントロールする。「限定吸水」 21日夕方 洗った米が乾かないように湿らせた布で厳重に包む。柴尾さんと上田君と矢加部くん。 22日朝 米を甑(こしき)に入れる際は、蒸気が全面から抜けるのを確認して少しずつ乗せてゆく。「抜け掛け」
22日朝 蒸米を確認する安達部長。 22日朝 広げて冷却して麹室に入れる、宮崎課長。 22日午前 麹室で麹菌の胞子を散布する井上杜氏
23日朝 麹蓋に盛る長嶺君と上田君 24日夕方 出来上がった酒母麹 出麹する西尾主任
麹造りの詳細はこちらを参照下さい

25日朝 取り出した蒸米を広げて約55度まで冷ます。広げているのは柴尾さん。 25日朝 前日できた酒母麹と仕込水を仕込んでおいたタンクに蒸米を投入。 25日朝 仕込温度53度。品温保持の為マットと布団で包み、下からも暖める。このやり方は「高温糖化酒母」。

25日夕方 氷りを中に入れた冷温器を入れて、品温28度まで冷却。 25日夕方 フラスコ培養しておいたオリジナルの「喜多屋酵母」を添加する原口照義主任。 26日夕方 櫂入れして品温を測定、15.2度。酵母の増殖は始まっている。
29日朝 酵母の増殖に伴い品温は19度に上昇しクリーミーな泡が表面を覆う。 30日夕方 品温が21度に達したところで香味、色等から判断して冷やし始める。冷却操作を「分け」といい、この後を「枯らし」という。 2月1日 使用直前の酒母、品温は5度。
51号純米大吟醸は総米750kgの仕込、52号純米吟醸は総米1600kgの仕込なので、その比率で酒母を分けて使う。


2月1日〜 純米大吟醸「蒼田」の仕込み
1日朝 添仕込。酒母を添タンクに移し、仕込水と添麹を仕込んだところ。温度を測っているのは井上杜氏。 1日朝 蒸米を甑から取り出して、蒸米吸水率を算出するために、かご毎に重量を量る。真ん中にいるのが安達部長。 1日午前 冷却した蒸米を添タンクに仕込む。仕込温度11度。
1日朝 仲仕込用の麹を麹蓋に盛る。 1日朝 麹蓋に盛って棚に積まれた仲麹。 1日午前 留仕込用の麹の蒸米を室に引き込み、麹菌の胞子を散布する。

2日朝 添の翌日は仕込をしない。これを「踊り」と言う。櫂入れをして状態をチェックする井上杜氏。 2日朝 温度を12度以上にあげて酵母の増殖を促進する。「踊りは第2の酒母」と言う。 2日夕方 仲麹の出麹。麹の吸水率(出麹歩合と言う)を計算するために、一枚毎に重量を量る西尾主任。

3日朝 仲仕込。添タンクから醪をサーマルタンクに移し、仕込水、仲麹、蒸米の順で仕込む。仕込温度8度。 4日朝 留仕込。仲仕込と同様に仕込水、留麹、蒸米の順で仕込む。 4日朝 タンク内の品温にばらつきがないか確認する井上杜氏。仕込温度は6度。

2月2日〜 純米吟醸「蒼田」の仕込み
2日朝 添仕込。 枯らしておいた酒母を添タンクに移す。 2日朝 温度調整した仕込水を加える。 2日朝 前日出麹した添麹を投入し、さらに蒸米を仕込む。仕込温度13度。

3日朝 「踊り」の状態をチェックする末広主任。 3日朝 「踊り」。十分力強く発酵しており香りも良い。 4日朝 仲仕込を行う前の踊り、酵母が増殖し泡がクリーミーに。品温は15度。

4日午前 仲仕込用の仕込水を量り、水温を調整する。 4日午前 仲麹。仲仕込温度は9度。 4日午前 製麹途中の留麹。出麹の約6時間前。

5日午前 留仕込。蒸した掛米の冷却状況をチェックする井上杜氏。 5日午前 留麹は冷却した蒸米と混ぜていっしょに仕込む。 5日午前 撹拌の為に櫂入れする醪主任の末広氏。留仕込温度は8度。

純米大吟醸「蒼田」      醪経過     純米吟醸「蒼田」 
7日 所々で泡が立ち始める。 8日 泡が見える範囲が広がるがまだ蒸米の表面が見える。 7日 かなり広範に泡が上がるが蒸米の表面も見えている。 8日 醪の表面全てを泡が覆っており、醪が動く状態。

仕込んだ日は純米大吟醸が1日先ですが、写真でも明らかなように純米吟醸の方が発酵が早く旺盛になってきております。純米大吟醸の方が長い醪日数で品質設計されており、従って蒸米も固めに蒸され、麹もそれに見合うように造り分けられている為です。

10日 軽い泡が醪表面を覆い、蒸米が溶け始めて動く状態。  11日 8cm位の軽い泡が覆う。 10日 ふわふわした泡が上がり始める。発酵が旺盛になる。 11日 泡はタンクの口近くまで40cm程上がる。高泡。

13日 泡が軽くキレが早いのは麹のバランスが良い証。 14日 泡は引いて醪の表面が見え、発酵による炭酸ガスの気泡が見える。品温10.8度。 13日 少し泡はひき始める。引き泡。 14日 泡はほとんど引いて数cm位になる。品温12.3度。

17日 泡は引いて「地」になり炭酸ガスの気泡が上がる。 19日 現在品温9.7度。 17日 泡は引いて「地」になり炭酸ガスの気泡が上がる。 19日 現在品温10.2度。

分析用のサンプル採取にはこのような器具を使う。 醪につけると濾布を通して液体のみ中に入る。 タンクから器具を引き上げる研究室の中村さん。 濾液を三角フラスコに採取。これをきき酒や分析に使う。


3月2日 留仕込から26日目。52号純米吟醸「蒼田」を搾る。アルコール16.9%、日本酒度+2。 搾り機は、接液部の濾板にゴムでなく人工血管用の素材が使われた吟醸用の搾り機を使用。 搾りでのくせが付かないので、活性炭などの濾過無しで、本来の香りと深い味わいのハーモニーが楽しめます。 搾ったままの酒はほんのりやまぶき色。酒が落ち着いたら、搾り立ての「無濾過生原酒」として発売します。


3月7日 留仕込から32日目。51号純米大吟醸「蒼田」をしずく搾りで搾る。アルコール16.8%、日本酒度+2。 圧力を掛けずに、しずくを集める「しずく搾り」。 「無濾過生原酒」として発売します。


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